辞書ってどうやって選べばいいの?国語辞典を選ぶポイント

子どもの教育

辞書ってたくさん種類があって、どの辞書をえらんだらいいかわからない…という人、多いと思います。

私が辞書を選ぶときにすることは、次の5つです。

同じ言葉をひいてみる

国語辞典だけでなく、辞書を選ぶときに私が一番重視しているポイントが「同じ言葉を引いてみる」こと。

めぼしい辞書を並べて、それぞれの辞書で同じ言葉のページを開いてみるんです。

私が基準にしている言葉の一つは「みず(水)」。

同じ「みず(水)」という言葉を引いてみて、説明にいちばん納得できた辞書を選びます。

例えば『旺文社国語辞典(第十一版)』で「みず」を引いたときの文の出だしは

みず【水】①水素二と酸素一の割合で化合した液体。純粋のものは無色・無臭・無味。一気圧のもとでセ氏零度以下で凍り、九九・九七四度以上で沸騰・気化する。

です。

対して『三省堂新明解国語辞典(第六版)』で「みず」を引くと出だしは

みず【水】①泉からわき川を流れ海にたたえられたり雨となって降ってきたりする、冷たい液体。化学的には、水素と酸素の化合物としてとらえられる。

こうなっています。

どうですか?受け取る印象が違いませんか?

私はこの二つを比べたときに、「なるほど」と納得できたのは物質そのものの化学的な説明を最初にもってきた旺文社の辞書でした。

でも、きっと「いやいや、三省堂の説明のほうがわかりやすい、イメージしやすい」という人もいますよね。

こんなふうに、書いてある説明の文章がそれぞれ違うんです。

だから、友達が使いやすいって言ってたから…と友達と同じ辞書を中身も見ずに買ってしまうと、いまいち合わない辞書を使うはめになるかもしれません。

しっかり自分で比べて、自分が「なるほど」としっくりくる説明をしている辞書を選びましょう。

比べるときに基準にする語はそれぞれ好きなものを選べばよいと思います。

ちなみに、私は「みず」の他に「よい」「あがる」と「ねこ(猫)」も引いてみます。

「よい」「あがる」は良い・好い、上がる・挙がるなどの使い分け方がわかりやすく書いてあるか、「ねこ」は単純に自分が好ましいと思う説明になっているか(笑)を確認しています。

ページ全体のレイアウトを眺める

辞書を引いて言葉を調べたとき、自分にとって見やすい紙面になっているかを確認します。

これはもう好みです。

これは、というか辞書選びそのものが好みによると思いますが。

私の場合はほどよく行にゆとりがあり、文字がギューッと詰まっていない紙面が好きです。

お子さんの場合は挿し絵の雰囲気が好きかどうかも重要ポイントかもしれませんね。

表紙と背表紙を眺める

辞書を使うときに目にする表紙と、置いておくときに目にする背表紙を比べます。

これも好みですね。完全に。

私はシンプルなものが好きで…というか、辞書の装丁はどれもシンプルなものが多いですが、色やフォントなどで選んでいます。

もっと派手な模様とか、可愛らしい模様がついた辞書があってもいいのにな~と思います。

手に持ってみる

実際に使うときのように、手に持ってページをめくったときの感触を比べます。

最近は持ち歩きに電子辞書を使うから重さは気にしないという人も多いかもしれませんが、小学生や中学生くらいだとまだ紙の辞書を使う子がほとんど。(個人的には紙の辞書をメインにすることをおすすめしたい)

持って歩くならやっぱり軽い方がいいですよね。

また、重さのほかに手との相性というか、扱いやすさも気にしています。

大きさや、重さ、表紙の硬さなどでめくりやすいかどうかの感じ方が異なってきます。置いてめくることが多いか、手に持ってめくることが多いかでも使いやすい感触は違うのではないでしょうか。

私は調べるときに必ず見るインデックス(あかさたなの印がついているところ)が見やすいか、探しやすいかも比べています。

収録語数を確認する

普段の生活や学習のなかで調べる語は、たいていの辞書に収録されていると思っているので、ポイントに挙げておきながら実はあまり気にしていません。

迷ったら、多い方を選んどこうかな…という程度です。

数が多い方が、辞書を編集するときに大変そうなので…

三浦しをんさんの書いた小説『舟を編む』で辞書を出版するまでの物語が描かれています。

この小説を読むと、収録語数を気にせずに辞書を選べるって贅沢なことだなあと感じられます…

辞書選びの参考になる本

なるほど本屋さんに行って、辞書を比べてみたくなってきたかも…

そんな方にはぜひこの本をお勧めしたい!

この本は、芸人さんでありながら大学の非常勤講師も務める辞書オタクのサンキュータツオさんが、愛する国語辞典について熱く熱く解説している本です。

数種類の国語辞典を例に挙げてその特徴をわかりやすく解説しながら、辞書を選ぶときのポイントについても詳しく説明してくれています。

その説明の仕方がなんともユニーク。

それぞれの国語辞典を、「都会派、インテリメガネの委員長タイプ」「地方出身の野生派」「スマートな渋谷系現代っ子」なんていうふうに、クラスの仲間にいそうなタイプに擬人化して紹介しているんです。

例えば『岩波国語辞典』の解説は

小型国語辞典史上、もっとも保守的な国語辞典といってもいい「規範主義」。つまり、日本語はあこうあるべきという、日本語学会をリードしてきたという自負とプライドに裏付けられる編集方針が特徴ですね。

(中略)

〈岩国くん〉は、相談相手には最適です。人の意見を聞きたいときには、模範的な委員長の意見をまず聞いておきたいというのがあるでしょう?たとえばガラス割っちゃったときに「委員長どうしたらいいと思う?」「まず先生に相談すべきだろ」「そうだよね」という。そんな、頼りになるメガネ君は一冊目としてオススメです!

サンキュータツオ「国語辞典の遊び方」角川学芸出版より

こんな感じ。

この(中略)部分に私の大好きな擬人化妄想部分があるんですけれど、そこは〈岩国くん〉のイラスト込みで見てほしいところなので、ここでは割愛しますね。

この〈岩国くん〉と対比させる相手に『三省堂新明解国語辞典』の〈新明解くん〉てのがいるのですが、新明解くんは

まず地方出身者ですね。クラスで後ろから二番目ぐらいの席で、先生に突っ込みを入れているようなタイプ。一言多くて皮肉屋な部分もあるので、女子からの表立った人気は薄い感じです。何しろ「非モテ主義」の辞書ですから。ちょっと物を斜めに見るような癖がある、反権力的な、反体制的な骨のある国語辞典です。

サンキュータツオ「国語辞典の遊び方」角川学芸出版より

そして再びさらなる擬人化妄想が続く…

こんなふうに、まじめな分析と、暴走しがちな妄想とを交互に繰り出してくる辞書解説本。

これまで辞書を自分で買ったことがないとか、学校で斡旋されたものを中身も見ずに買ってたという人は、一読したら目からウロコが落ちること間違いなしです。

私もサンキュータツオさんには足元にも及びませんが辞書が好きで、『広辞苑』はじめ数冊の国語辞典と漢和辞典を持っています。(あと英和辞典とかミニ六法とか事典の類とかも好き)

先に述べた私の辞書の比較キーワードは「みず(水)」。

化学的な解説を最初に持ってくる辞書や、物質的な状態の説明が最初にくる辞書など、違いがあって面白いですよ。

これから辞書を購入しようとしている方は、本屋さんに買いに行く前にぜひこの本を読んでみてください!

違いを把握してから実物を見ると、自分に合う辞書がどれなのかよくわかると思います。

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